亀田大学

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2013/08/05

講義 12 真夏の果実/サザンオールスターズ

-亀の音楽史-

講義 12 真夏の果実/サザンオールスターズ

[講義] プロデューサーが音楽のパッションを引き出した、最良の見本。

── 学長、おはようございます。さて、早いものでいよいよ最終講義です。第12回目の教材はサザンの「真夏の果実」ということですが。このシングルは、桑田佳祐さんがメガホンを取った同名映画の主題歌として大ヒットを記録したシングルで、アルバム『稲村ジェーン』にも収録されていますね。

はい。サザンについてはこれまでいろいろな媒体の取材でもお話ししていますが、僕はデビュー当初から大好きで、もちろんこの『稲村ジェーン』以前もずっと聴いていました。ただ、「真夏の果実」を聴いた時に、もうイントロ2秒で、2小節で号泣してしまったんですね。キンコンカーンというグロッケンの音しかないのに、そのメロディだけで泣けてしまった。「これは今まで僕が聴いてきたサザンと違う!!」と思って、CDシングルを買った。すると、そこで"小林武史"という名前を発見したのです。"Produced by 桑田佳祐、小林武史"。つまりプロデューサーという人が入ることで「こんなに音が変わるのか......」と初めて気が付いたのです。

── ああ、なるほど。

今までのサザンも好きだった。でもまったく違うサザンの世界が広がっていて、しかも曲がいい。これはすごいと。僕はこれまでお話ししてきた通り、ブライアン・イーノやクインシー・ジョーンズを知って、デヴィッド・フォスターやナイル・ロジャースも聴いてきた。でも彼らの音楽と出会った段階では、まだプロデューサーそのものへの興味は芽生えていませんでした。でも、この曲と出会って、初めて「プロデューサーになりたい」と思った。自分自身で音楽の舵を取って、サウンドをコントロールしたいと思ったんです。

── まさにプロデューサー・亀田誠治が、生まれて初めてプロデューサーを志したきっかけが、この「真夏の果実」だったというわけですね。

そうです。ちなみにアレンジャー・亀田誠治が初めてアレンジャーを志すきっかけになった曲は、大沢誉志幸さんの「そして僕は途方に暮れる」(1984年)でした。あの曲のサウンドがあまりにカッコよくて感動してね。洋楽に対するそれとは異なる、邦楽のポップス独特のカッコよさを感じました。編曲は大村雅朗さんという方で、97年に46歳の若さでお亡くなりになってしまいましたが、大村さんのお仕事はほとんどチェックしたと思います。

     
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